こんにちは。
今日は環境ゼミと設計方法論ゼミを行いました。
環境ゼミでは環境シミュレーションのoutput方法の検討を行いました。
前回の環境ゼミで反省点として挙がった気流の表示範囲についても改善方法がないのか探っています。
担当者(鈴木結梨、鈴木葉大)
設計方法論ゼミでは「菊竹清訓」の設計方法論を書籍を基に読み取りを行いました。
以下はレジュメになります。
担当者(山本弓貴)
0.菊竹清訓とは
菊竹清訓(1928~2011)
〈主な業績〉
1961年:<か・かた・かたち>発表
1964年:出雲大社庁の舎 設計
1975年:アクアポリス 空間意匠設計
2007年:日本建築栄誉賞
1.はじめに
『<か・かた・かたち>という三つの段階を持ち、三角構造を持つデザインの方法論は、約五年の間、一九六〇年の国際デザイン会議をはさんで少しずつ検討し、考え、築いてきたものである。この<か・かた・かたち>の三段階方法論は武谷三男の「弁証法の諸問題」に追うところが多かったし、ルイ・カーンの哲学に学ぶところがあった。しかし、なんといっても、川添登の批判と討論にまつところが大である。』
2.建築の論理(建築仮説)
『設計を正しく発展させるため、デザインの方法論が必要とされるのである。』
・デザインの認識の構造から方法論を求めていく。
・【認識プロセス:感覚・現象<かたち>→理解・法則性<かた>→思考・原理<か>】
<か>
・構想的段階
・『実践論的には構想としてかくあるべきだとする意欲を意味し、認識論的には秩序見いだしそのものたらしめているものを認めようとする段階であり、もっとも本質論的段階であることは言うまでもない。』
・『任意の実体が、任意の条件のもとで、いかなる現象をおこすかを明らかにするようなものこそ構想の段階といえる。』→構想の第1段階
・新しい実体の導入→構想の第2段階 (例)ムーブネット
<かた>
・技術的段階
・『<かた>は多くの機能の相互関係を体系的に示すものである。したがって、けっして固定した概念ではないし、固定した形式であってはならない。』
・『<かた>を、より空間的側面からつかむか、それとも帰納的側面でとらえるかは、そのいずれであってもよい。』
<かたち>
・形態的段階
・『物質の世界とは、自然ということができるから、自然と人間との間に、まず<かたち>を媒体とする環境がある。さらに社会と人間との間に同じく<かたち>を媒体とする環境があり、そして社会と自然との間にも<かたち>を媒体とする環境がある。』
→三つの環境(空間・建築・都市)がある。
・『<かたち>は人間の感覚器官の延長であると同時に、社会の環境秩序の外皮であり、そして自然の運動のシンボルともなるというような形で環境を構成する。このような<かたち>の環境を第二の自然と名付けたい。』
・第二の自然=<かたち>の世界
・<かたち>の世界=(目に見える世界+目に見えない世界)=(内化作用+外化作用)
→目に見える世界を大事にしてしまいがちだが、目に見えない世界も大事である。
・『絶えず、目に見えない世界を見える世界に繰り入れていく過程、それは激しい代謝そのものであり、創造ということができる<かたち>の運動である。』
3.建築は代謝する環境の装置である
・三つの装置の考え方
(1)建築の空間というものを明確にする。
(2)建築に空間的秩序を回復する。
(3)建築環境の独立性を暗示する。
(4)建築の進化を工業化を通じて推進する。
(5)社会及び個人生活の自由と選択を可能にする。
(6)そういう生活の多様化の上に、新しい市民社会の環境の創造を予感させる。
4.まとめ
・か・かた・かたちの三段階の方法論をもち設計を行う。
・生活装置・空間装置・設備装置の三つの要素が相互に関係しながら空間が造られていると読み取れる。