wakisaka lab@Shizuoka Institute of Science and Technology

静岡理工科大学 建築学科 脇坂圭一研究室

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2023/01/13 3年ゼミ・院ゼミ

こんにちは。

 

脇坂研究室3年の加藤竜舞です。

2023.1.13(金)は、3年生ゼミと鈴木葉太先輩の院ゼミを行いました。

 

始めに、来週1月17日(木)に控えた3年生の建築設計B2第2課題における沼津市での外部報告会に向けての確認を行いました。今回は脇坂先生に報告会の計画から段取りまで全てを行なっていただきました。お忙しいのにも関わらず、自分たちのために取り組んでくださりとても感謝しています。これからは自分たちで行動できるようにしなくてはならないと思いました。

 

次に、鈴木葉太先輩の院ゼミです。

木葉太先輩の修士論文では、研究の比較対象としてデンマークコペンハーゲンを挙げていました。今回の院ゼミのなかでは、海外へ行くための補助金申請についての進捗確認を行いました。私たちはこれから4年生となり、論文へ取り掛かっていく時期になりました。論文を進めていくうえで実体験というものが重要になってくると思います。私自身、実際に建築を見に行けていないので、この春休みで様々な建築を体験したいと思いました。

 

最後に、3年生のゼミです。

先週に引き続き、脇坂先生が編著者である「光・熱・気流 環境シミュレーションを活かした建築デザイン手法」についてのレビューを行いました。

 

1 望月は、中川純さんによる「建築環境デザインを科学する」という項目についてレビューを行いました。中川さんが考える美学と技術の関係について考察をしました。

 

2 戸塚は、脇坂先生による「ソトマで育てる ソトマでつながるB棟」のレビューを行いました。気流解析や日射シミュレーションによって、卓越風と反対方向の風が内部に流れていることや、内部スリットの有効具合について可視化されていました。

 

3 寺田は、脇坂先生による「不均質な家 〜201号室リノベーション」のレビューを行いました。脇坂先生の元自邸で集合住宅のフルリノベーションを手掛けたものです。竣工後に気流シミュレーションと日射シミュレーションをすることで、熱画像で太鼓障子があるものとないものの比較によって、太鼓張の障子が断熱としても有効に活用されていることが検証される事例になっていました。光を取り入れ、外からの視線を遮断することができる障子の良さを知ることができました。

4 加藤は、小泉雅生さんによる「横浜市港南区総合庁舎」のレビューを行いました。この建築は今までとは違い、住宅ではない施設においての環境戦略がみられる事例でした。日射と通風、省エネルギーについて、ライトシェルフや逆梁、湧水を有効に活用することで環境問題について取り組んでいました。

 

5 一色は、岡崎真也さん(設計)天田靖佳さん(設備)、北村信之さん(設備)が担当された、清水建設による「清水建設北陸支店新社屋」のレビューを行いました。東茶屋街の木虫籠のような中からの視線のみを通す西面の縦桟ルーバーが特徴的な事例でした。トップライトから入る光のパターンを、RhinocerosプラグインであるGrasshopperを使用し、総当たりさせて設計されていました。

 

私たちは環境シミュレーションを行なっている事例を取り上げ、レビューしていくなかで様々なシミュレーション結果を見ていきました。そこで私は、環境性能が数値化され、可視化された建築において、シミュレーション結果の適切な使い方の必要性を強く感じました。それは良くも悪くも言えない、時代の進化によるものだと思いました。建築は環境性能が全てではなく、意匠的にも考えなければならないものです。環境性能だけが結果として数値化され、意匠の存在を蔑ろにしてしまう風潮が生まれてしまう恐れがあります。今、建築を学ぶ私たちは、環境シミュレーションを活かしつつ、数値化された結果に振り回され過ぎないようにデザインしていく必要があると思いました。