wakisaka lab@Shizuoka Institute of Science and Technology

静岡理工科大学 建築学科 脇坂圭一研究室

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2022.12.9 院生ゼミ

こんにちは。

脇坂研3年の戸塚です。

 

12月9日のゼミは、

・院1年鈴木葉太さんの論文の途中報告

・新建築掲載の建築論壇「オープンスペースと緩やかなルール」レビュー

乾久美子(建築家)×山道拓人×千葉元生×西川日満里(建築家,ツバメアーキテクト×水野裕(法律家) 

の2本立てで行われました。

 

鈴木さんの論文は「地域おこし協力隊」についてのものでした。既往研究との比較を行い、本論文の位置づけを示されていました。このゼミを通して、テーマそのものについて本当にこれで良いのか…と、まだ変更の余地ありというような現状でした。「地域おこし協力隊」の論文が、現状の社会に対してどのような意味を持つのか、今後の進展に期待したいです。

 

後半は新建築掲載「オープンスペースと緩やかなルール」のレビューを行いました。ゼミ生が各々気になったところを挙げ、考えを述べていくスタイルで進みました。多くの人が注目した部分としては、オープンスペースには管理者がおり、管理者の判断一つで全く異なる所になるというところです。管理者が「○○してはいけない」と制限をかけるのではなく、「○○はやってもいい」という可能性を提示することで、豊かなオープンスペースになるという考えには多くの共感が集まりました。他には、道というオープンスペースが交通のみを優先してきたところから、近年国交省の方針にもあるように、オープンスペースとしての道を取り戻す流れであるという部分は、3年の設計B2の沼津アーケード名店街にも適応できる考えだということで、注目されました。また、法律家である水野さんは法律にもオープンスペース(余白)があると言います。法律のよき解釈、また建築家が法律から関わっていくことで豊かな環境をつくることが出来るという部分にも共感が集まりました。さらに、オープンスペースは各々キャラ立ちした個性ある場所にするべきということ、家具や植栽など活動を誘発するフックを設けることが重要であることも挙げられました。

 

 

レビューを通して、オープンスペースの在り方が今一度見直されていることを感じました。ゼミ内では『空地の思想』、『「原っぱ」と「遊園地」』が読むべき本として挙げられましたが、それ以外にも多くの本に触れ、オープンスペースや都市の在り方について考えを深める必要があると思いました。