wakisaka lab@Shizuoka Institute of Science and Technology

静岡理工科大学 建築学科 脇坂圭一研究室

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2023.2.24 第5回読書ゼミ

こんにちは。

脇坂研3年の戸塚です。

 

2/24は第5回読書ゼミが行われました。

今回取り上げる本は、『形の合成に関するノート/都市はツリーではない』(著:クリストファー・アレグザンダー)です。この本を選定した戸塚が司会、書記は望月が担当しました。



会の流れとしては、各章概要説明、各自が感想を述べる、形の合成においての要点(ダイアグラム)についての議論、都市はツリーではない(セミラチス構造)についての議論…の順で進められました。

 

概要説明後、各自の感想では、p52のダイアグラムについて多くの感想が集まりました。その流れで本書の主題でもある形の合成はどのように行っていくのが良いのか、p52のダイアグラムを主に議論がなされました。図を説明すると、まずは設計において要求される要素を列挙します。次にその要素を共通項でくくります。次に共通項でくくったものをさらに共通項でくくっていき、最終的な形に到達します。これをダイアグラム(図化)で各段階考えていき、最終の形に到達するというのがアレグザンダーの設計手法だと全体で共有、解釈しました。ただアレグザンダーが言うように、この方法論を知っただけでは意味はないため、設計を行う中で実践して、体験的にこの手法を理解していく必要があるとの結論に至りました。

 

次に、「都市はツリーではない」についての議論がなされました。アレグザンダーの述べる都市はツリーではなくセミラチス構造であるという文言の意味するところは、人間がつくる人工的な都市は単純明快なツリーに置き換えられてしまっているが、本来都市は複雑であり、セミラチスの様にあらゆる要素が絡み合って出来ているということだと全員で共有しました。ツリーの様に整理して考えることは分かりやすく便利ですが、都市の本質を排除してしまうことに気づかなければならないと感じました。

 

今回のゼミを通し、今まであまり考えることのなかった設計手法の一例に触れることが出来ました。この本以外にも設計手法に関する書籍は多く出版されています。多くの本に触れ、実践を通してその手法を自分のものにしていくことが大事だと思うので、まずは積極的に新しい知識に触れていきたいと思います。