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静岡理工科大学 建築学科 脇坂圭一研究室

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静岡建築茶会第四煎 Carl Hansen & Søn Japan

こんにちは

脇坂研究室3年の伊藤勢来です。

 

静岡建築茶会第一煎の菊池さん、第二煎の三文字さん、第三煎の紺野さんに続いて、第四煎としてCarl Hansen & Søn Japanの郡司圭さんにレクチャーをいただきました。

デンマークのCarl Hansen & Sønは、創業者のカール・ハンセンから始まり、子孫、孫と、3世代にわたり今年で116年目を迎える家具メーカーです。創業当時は一般的だったら手仕事からいち早く加工機械を導入したり、現在ではアプレンティス制度を開始したりするなど、デンマークデザインの発展から継承まで、一貫して取り組んでいます。

今回は「デンマーク家具デザインの誕生とYチェアの秘密」として、デンマークで持続するクリエイティブの背景にある風土や歴史とともに、デンマークモダン家具デザインの父といわれるコーア・クリントの唱えた「リ・デザイン」の考え方が現代にまで与える強い影響について郡司さんからお話をいただきました。

 

 

コロナ禍を経て、これから重要になっていくデンマーク独自の言葉「ヒュッゲ」。

 

 

 

暖かな雰囲気や心落ち着く平和な雰囲気、物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさの意味を持つ言葉がデンマークの暮らしを支える家具やデザインに大きく影響を与えてきました。

Yチェア発表当時は、既に「The Chair」や「China Chair」が発表されていましたが、手作業の工程が多く、量産することができず高額であるため、機械加工を上手に取り入れることで、クラフト味を残しつつコストダウンするといった、「リ・デザイン」の考え方で生まれ変わった背景を学びました。

また、講演ではYチェアの部品を用いて説明をしていただき、ウェグナーの強いこだわりや家具職人の高い技術と知識の表れを感じました。シンプルな中にある美しさ、耐久性、そして使い易さが見事に融合し色あせていないことが、現在でも世界中の人々に愛され続けている理由なのだと思いました。

貴重なご講演をしていただきました郡司圭さん、ありがとうございました。