wakisaka lab@Shizuoka Institute of Science and Technology

静岡理工科大学 建築学科 脇坂圭一研究室

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2024.1.5 テンプラス紺野氏オンラインレクチャー

こんにちは。

脇坂研4年の戸塚です。

 

1月5日にオフグリッド住宅の講演会として、株式会社テンプラスの紺野氏にオンラインにてレクチャーをして頂きました。

 

株式会社テンプラスは、住宅の省エネ計算や温熱環境に関するコンサルティングを行っている盛岡の会社です。紺野氏は設備設計者であり、もるくす建築社「佐戸の家」の設備設計(コンサル)、菊池佳晴建築設計事務所「上杉の家」の設備設計(コンサル)、静岡ではLiving D(第一建設)「The MIRAI HIBIKI」の暖房設備設計(コンサル)を手掛けられています。

 

レクチャーでは、冷暖房の容量を決めるための負荷計算の仕方、主に「佐戸の家」の設備機器の詳細、オフグリッドモデルの考察などについて、設備視点でのレクチャーをして頂きました。

 

負荷計算の仕方では、例を用いて計算式に値を入れ、その結果からどの程度の容量の機器を選択すればよいのか、簡易的に理解することが出来ました。冷暖房負荷では、居住者は夏季のエアコンの利用について注目しがちですが、外気との温度差の点から冬季の方が負荷が大きくなるため、冬季に着目すれば必然的に容量がおおよそ決定するということを学ぶことが出来ました。

設備機器についてでは、「佐戸の家」の温熱回収型薪ストーブ、薪コンロの排熱回収、壁面太陽熱集熱パネルの構成など、設備機器の構成や機能の仕方についてレクチャーをして頂き、普段なかなか知ることのできない設備の詳細な部分について学ぶことが出来ました。

最後のオフグリッドモデルの考察では、G2.5レベル(6地域でUa値0.36W/㎡K)の住宅の提案がありました。PVパネルは屋根に4.8kW載せ、蓄電池は13.5kWを搭載。コスト的にも、ZEHを達成し、補助金を取得する必要があるという、一般普及を考えた視点で提案をして頂きました。基本的な考えとしては、断熱性能を極限まで上げ、設備の省力化を図り、ZEHで補助金を受けつつ、グリッドを絶つ方策がいいのではないかということでした。

自分が調査した事例の中で、節約を楽しみながらオフグリッド生活をする事例がいくつかあった中で、紺野さんの考えとしては、一般普及を考えた時に、普通の生活が出来るかどうかが重要になるということでした。まずはZEHを目指して、必要に応じてグリッドを絶つこともできる(災害時等)状態が望ましいと思いました。

 

今回は設備設計者の視点から、非常に貴重なお話を聞くことが出来ました。

フグリッドを考える以上、設備や温熱環境についてもさらに学びを深めていく必要があると実感しました。