こんにちは。
今回のゼミは「建築の設計力 第3章の8~終章」の範囲を読み込み、レビューを行いました。10月から続いた「建築の設計力」は今回で最後になります。
また、将来のキャンパス計画について議論を行いました。
2022年には土木工学科が開学予定ですし、これからキャンパスは新しい要素が加わったり既存の建物を改築したりと変化していきます。
どのようにキャンパスが変わっていくか楽しみである反面、そこに学生として居合わすことができないのが少し残念でもあります。
以下はレジュメです。
第3章-8 リフレームする (担当者:山本弓貴)
1.ウィーンと東京で行われたWS
・ウィーン工科大学教授エルンスト・ベネーダの行ったWS「都市のシークレットスペース」
課題:東京のまちに人知れず存在する宝石の原石のような空間を探し、磨く。
学生に選ばれた場所の共通点:周囲の文脈から切断されている場所。それゆえに周囲と異
なる特別な場所となっている。
・坂牛卓さんがウィーン工科大学で行ったWS
課題:ウィーンのまちの中に周囲の文脈と切り離された不連続な空間を探し、磨く。
2.不連続性とは
・不連続性:人々の心に作用し、心を覚醒し、それが都市を自覚する契機となる。
『都市のイメージ』:ケヴィン・リンチの著作。都市の中で不連続性が見る人の印象に残る
と指摘している。
・記憶に残る5要素:エッジ・パス・ランドマーク・ノード・ディストリクト
→都市をつなぎとめる要素に見えるが、実際は都市の流れを切断したりよどみをつくったり突出したりする要素。
→都市の不連続面や点を構成する要素。
3.リフレームするとは
・リフレーム=室内にデザインしたフレームを再度「強調」する。
→「色・プロモーション・形状」を得意なものとする操作を行うこと。
→フレームの1つを他と性質が異なるものとして空間を繋ぐこと。
→連続性を止めて、不連続性をつくること。
・リフレームする=他律的で開放性を目指すものの中で自律的で自閉的な場所をつくる
ことであり、建築が人に意識されるものに代わることを期待すること。
第3章-9 流れをつくる
・「窓」・「フレーム」の存在とは?
何かと何かをつなぎとめるもの【物理的】
↓
窓やフレームを通り抜ける人や視線、光、風【性質と状態】
・流れをつくること=場所に存在する性状をコントロールすること。
終章 建築理念を再考する
1.建築理念を更新する
建築理念の更新には2種類ある。
・プロジェクトなどの作業を通して建築理念が変化していることに気づく無自覚的更新
・ル・コルビュジェのキュービックから有機的な曲線への変化や篠原一男の4つの様式
の変遷などの自覚的更新
2.建築理念を更新しない
建築理念を更新するほうが自然であるが、反対の考えも存在する。
建築とは創造であり、創造行為に一定のスタイルを維持すべきだという考えもある。
魅力的な造形や使いやすい建築の図式を継続することに意味がある。
3.建築を続ける努力
・1つのことを続けるには根気や努力がいる。
・逃げる気持ちが起こるということは建築に対しての意識が高くない。
・設計を始めた人々が有意義に充実して設計を継続できる環境や心理的状況を失うこと
が問題である。なぜなら、継続の意思が希薄になるところに設計の向上は見込めないか
らだ。
→新たな場所に行くことで打開する。
・惰性で建築をつくるのは良いことではない。
→旅に出て魅力的な建築にふれることや読書などで打開する。
「飽き」を感じたときは自らの「建築」を拡張する因子を探す。
建築の設計力に最も重要なことは「継続する力」なのかもしれない。