wakisaka lab@Shizuoka Institute of Science and Technology

静岡理工科大学 建築学科 脇坂圭一研究室

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大学院の研究でパッシブハウスへ調査に行ってきました

大学院の研究でパッシブハウスへ調査に行きました

 

「環境配慮型住宅における建築計画・意匠と環境・設備の相互の目標の両立に向けた検討」

と言うテーマのもと対象事例として豊田パッシブハウスと仙台パッシブハウスへ行き、ヒアリング及び温湿度・照度・気流の環境実測を行いました。

 

=豊田パッシブハウス=

外観

愛知県豊田市にあるこちらの住宅の特徴は南面に設けた大きな窓を持つLDKと吹抜け空間。

南面は基本フィックス窓となり日射熱取得型トリプルガラスを採用しており、そこに外付けブラインドを取り付けることで採光をコントロールすることで年間で平均して室内を25℃前後と年中住みやすい環境づくりが室内でなされていました。(夏季は除湿弱を24時間利用)

 

基本的には開口部を開けることがなく、気流を感じさせないことで室内の環境を均一化し一年中住みやすい住宅となっていました。

計測の風景

外壁は地域に合わせた木材で仕上げておりとても落ち着いた雰囲気の住宅となっており、開口部周りは断熱材が3重に入っていることから分厚くなった壁に掘り込む形で開口が設置させているため、とてもかっこよく、雨水に当たること少ないことから、お手入れもとてもしやすいとの事でした。

堀の深い開口部

1ヶ月間設置した温湿度計の結果

=仙台パッシブハウス=

外観

宮城県仙台市にあるこちらの住宅の特徴は南面に設けた大きな窓を持つLDKと窓と窓の間にある縦長スリット状の換気窓。

南面は大きな窓はフィックスであるが、間にある縦長のスリット状の換気窓を開閉することによって、外気を室内に取り込み、風の揺らぎを感じることができる。

リビング

給湯に関しては、屋上に太陽熱温水パネルを4枚設置し、晴天時には800Lの貯湯器に1日で家族3人分のお湯が3日分貯まるそうです。梅雨や悪天候の時は給湯巻きボイラーを使うことで、給湯及び除湿にもなり、竣工後、給湯にかかるお金は¥0という驚きの結果でした。

太陽熱温水パネル

冷房機器は2F階段付近にPS冷房パネルを設置することで2Fはもちろん階段を伝って1Fにも涼しく感じる仕組みとなっている。

 

その他構造が木造であり、木の断熱材の採用や紙の除湿シート、土壁、屋久島地杉の外壁など自然や環境に配慮した素材を採用した住宅となっていました。

計測の風景

また、豊田パッシブハウスが気流の感じないムラのない空間を目指した計画がなされている一方、仙台パッシブハウスの設計者の菊地様は自然のムラ(温度変化)も感じることが大切で、それをコントロールできるようにすることが大切と話されていました。

 

[筆者:大学院2年 千葉大騎]